この記事では高音域を出すためのボイストレーニングを紹介します。
カラオケで歌う際に音域や声量が変化する部分になると声が裏返ってしまったり、声がかすれてしまう方は多くいらっしゃると思います。 中でもよくあるのが「サビの部分で声が力尽きてしまう…」というお悩みです。
サビは曲の魅力を表現する上で最も重要なパートです。歌い手が最も感情をこめるパートと言っても過言ではないでしょう。それもあってかヒットソングの大半がサビの部分で音域が広がり、声量も上がります。多くの人がサビでつまづいてしまうのはこの為です。
ではどうしたらサビを気持ちよく歌いきれるのでしょうか? 解決策の一つとして『音域を広げる』ことが挙げられます。
特に『高い声』を出せるようになると歌える曲の幅がグッと広がりますよ! ぜひ一緒に練習していきましょう!
ボイトレできれいな高音は出せるようになる?
ボイストレーニングを正しく行えば高い声は誰にでも出すことができます。
声も身体の筋肉と同様鍛えることができるからです。声は身体が作り出しています。
声を出すために必要な器官を訓練し鍛えていけば、少しずつかもしれませんが前進していきます。
もっと具体的に説明していきましょう。
まず、声は肺から送られてくる空気が声帯を振動させて出る音を鼻腔や口腔内で響かせて出しています。 この振動音は声帯の振動が多いと高く、少ないと低くなります。
振動の速さは声帯の長さと硬さ、そして厚みをによって決まります。
この声帯に作用する3つの要素、長さ・硬さ・厚みをボイストレーニングによって自在にコントロールできるようにしていくのです。といっても声帯は目視することが難しいので感覚が頼りになります。
ここが「本当にボイストレーニングで高音が出せるのか?」という疑念を抱かせる1番の要因になってしまうんですよね…。
しかし裏を返せば声帯を上手くコントロールする感覚さえつかんでしまえば、思った以上に早く高音が出せるようになるということでもあるんです!
男性であれば平均で中間のC(ド)から高いA(ラ)、女性であれば平均で中間の1G(ソ)から高いC(ド)まで出せるようになります。
ちなみに男性と比べて女性は高い声を出しやすいのです。
しかし発声できるようになる音域は男性よりやや狭まる傾向があります。
以上のことを踏まえて以下で説明するボイストレーニングを行ってみてくださいね!
ボイトレで高音を出す前の準備
高い声でのボイストレーニングに入る前にいくつか準備をしておきましょう。
まず自分の声に何が足りていないのか?を冷静に洗っていきましょう。
こうすることで最短距離で高音が出せるようになっていきます。
さらに自分の喉に合わない練習法や必要のない訓練も選択肢から外していく事が可能です。
この作業してから初めて次にどのように足りないものを補う方法はないか?を探していきます。 やみくもに自分に合わない練習を始めても、かえって遠回りになりかねません。
これから始める人はもちろん、今まで練習してきたが「効果がない!」という方も要チェックの内容です。
地声の音域を知っておく
まず最初に。1つの歌い方(声の出し方)で1曲歌いきれる人は稀です。
たいていの人が発声の仕方を変えることで歌える音域を広げて歌っています。
たとえ歌手であっても2つ以上の発声法を駆使して歌を歌っていることがほとんどです。
「一体どういうこと!?」と思ったかもしれませんね。 わかりやすく説明しましょう。
例えば普段話している時の声と歌っている時の声、全く同じだという方はいらっしゃるでしょうか? 大多数の人がよくよく確かめてみると話すときの声と歌う時の声は違う出し方をしているはずです。
なぜなら話すときの声、地の声は出せる音域がかなり狭いからです。 おそらく多くの人が低い声は地で、高い声は裏声で歌っているのではないでしょうか?
なぜこんな話をするかというと、この発声を使い分ける技術がボイストレーニングで高音を出すためのキーポイントになって来るからです。
地の声で低い音から音階を歌っていくとき、高い音になるにつれて出すことが困難な音にたどり着きますよね。 何も意識しないまま声帯を思いっきり引っ張り音を高くしたとき、物理的にこれ以上は引っ張れない、テンションを高めることができない地点です。
そこから更に高い音を出そうとすると大体の人がその音まで使っていた発声法とちがう声の出し方に切り替えます。
このように急激に発声の状態が変わる高さの音を「チェンジ(換声点)」と呼びます。
統計的に男性はE4辺り、女性はA4辺りにあることが多いです。 複数の発声法を上手く使いこなすためにはこの「チェンジ(換声点)」をできる限り滑らかに繋ぐことを要求されます。
そのための練習を行うために地声の音域を把握しておくことは高音の為のボイストレーニングにおいて必須となるのです。
発声練習は母音で行う
高音域のボイストレーニングは母音で行うのがおすすめです。
母音とは簡単に言うとあ行、「あいうえお」の音のことです。声帯の振動をそのまま発声した様な、一切濁らず、引っかかりもない音を指します。 この母音の特徴が高音を発声するためのコツを掴むのに非常に良い作用をもたらすのです。
音を濁さず発声すると大概の場合、喉の奥がリラックスして大きく開きます。唇などで引っ掛かることもないので、子音が混ざるよりスムーズに肺からの呼気が丸ごと声になります。
この喉がリラックスし開いている状態をわかりやすく例えると、あくびをしている時のような状態です。普段あくびをしている時を思い返してみてください。 喉の奥が開いていますよね?加えて、呼吸で取り込んでいた空気がスムーズに気管を通って吐息になっているはずです。
この状態を発声時に再現可能にさせるのが母音でのボイストレーニングです。 高音を出すためには喉をリラックスさせて大きく開くことが要求されます。
喉を開くことは上記でお伝えした「チェンジ」をスムーズに行うにも必須の条件です。 母音でのボイトレはこれらの条件をすべてクリアできます。母音は高い声を出すのにうってつけの音だといえるでしょう。
要するに母音だと自然に喉が開きやすく、余計な力を入れずに発声できるので、比較的楽に高音発声ができるのです。
ちなみに、ボイトレ初心者の方は「あいうえお」の中でも特に「あ」と「お」がおすすめです。喉が自然に開きやすく、リラックスして発声することができますよ。
歌う前のストレッチ
- 意外と知らないストレッチ(準備運動)の必要性
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ボイストレーニングを行う際、特に歌う前には必ずストレッチを行う習慣を作りましょう。
特に高音による発声練習では首や肩に力が入ってしまいがちです。
また、高い音に対する苦手意識が筋肉の硬直や、体の重心のぶれとなって現れることもあります。
こうなると高音になるほど声がかすれたり裏返ったりしてしまい、美しい歌うことができません。
さらに緊張やストレスで身体がガチガチになってしまうと喉などを傷めるリスクも上がります。 ガチガチになった身体をほぐしたり、または身体がガチガチになるのを防いだりするには心身のリラックスが必要です。 歌う前のストレッチはこれらの問題を一挙に解決します。
まず第一に身体をほぐすと心・精神もほぐれます。身体から不必要な力みが消え、緊張感が和らぐ効果を得られるのです。
次に、ストレッチを行うと血流が良くなり筋肉もスムーズに動くようになります。これにより発声器官の機能が向上します。
最後にボイストレーニングで使う筋肉が温まり、柔らかくなることでけがをしにくくなります。この効果で安全にボイトレに行うことができるのです。
- ストレッチの手順
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「歌う前のストレッチ」と聞くとある程度の時間キッチリ行わないといけない!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、安心してください。歌う前のストレッチには子供のころに体育で習った準備運動などで十分です。
まず身体の後ろ前についている腹筋・背筋を伸ばしたら、体を左右横に倒し脇腹の筋肉も伸ばします。
次にアキレス腱など足の筋を伸ばしたら肩回りぐるぐる回し、重点的にほぐしてリラックスさせます。
最後にしっかり首筋の筋肉を頭を前後左右に倒して伸ばします。頭をぐるぐる回したら終了です。 所要時間は30秒から1分程度で十分です。 ボイストレーニングの前にこのお手軽な体操を行いましょう。
歌うときの呼吸法
- 腹式呼吸のススメ
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高音の獲得に向けたボイストレーニングでは腹式呼吸を使うことをおススメします。
腹式呼吸を使って歌うと喉に余計な力が入らなくなるので、高音が出やすくなります。 高音を出すときは喉や肩回りが緊張しがちです。
そうすると胸を使った呼吸、胸式呼吸を誘発します。 胸式呼吸は腹式呼吸より息が浅く、呼吸量などをコントロールすることが難しいのです。
逆に腹式呼吸は深い呼吸が可能となり、声帯に送る息の供給量が安定しています。横隔膜を使って呼吸をコントロールするため声帯の働きも邪魔しません。
さらに呼吸不足による緊張を防ぎ、喉を傷める危険性も下がります。安全にボイストレーニングが可能になるのです。
- 腹式呼吸を体感しよう
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呼吸のコントロールを意識してこなかった人のために、以下の方法で「腹式呼吸」を体感してみましょう。
- 仰向けに寝転がる
- 下腹部に手を当て、リラックスする
- 自然に呼吸しながら下腹部が膨らむことを確認する
踏む手順はこれだけです。
「え?寝るだけ??」と思った方は、その通り!実は腹式呼吸は人が仰向けで寝ている時に自然と行っている呼吸法なのです。
- 腹式呼吸を会得しよう
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上記の通り腹式呼吸は仰向けで寝れば簡単にできます。なのでまずは寝転がった状態で腹式呼吸の体感を覚えましょう。
発声はせず何度も何度も呼吸だけをして身体のどの部分を使っているか観察し覚えていきます。 立った状態で覚えた感覚を再現できるようになるまでこれを繰り返しましょう。 呼吸が自然にできるようになったら発声していきます。
この際には、身体の力を抜いて無理なく自然に声を出しましょう。声が頭のてっぺんから突き抜けるような感覚で発声すると良いですよ。
高音域に挑戦!おすすめボイトレ【5選】
ボイストレーニングへの準備が整ったらいよいよ実践です!
高音を上手く出せるようになるボイストレーニングを5つ紹介していきます。
まだ高音域に挑んだことがない方や高音域が伸び悩んでいる方に向けて、広く多くの人に効果があるトレーニングを選びました。 一つ一つ確認していきましょう。
低い声から徐々に音域を上げる
高い音を発声できない場合、思わずその出せない音を重点的にトレーニングしてしまいがちですよね。
ですが、高い音を伸ばす際、高くて出ない音・出すのがきつい音を重点的に練習するのはあまり好ましくありません。
出ない音を集中的に練習すると、声を出そう出そうとするあまり喉など発声器官を傷める危険性があります。
むしろ過少可能な低いキーから練習し、声がスムーズに出るようになったら1音ずつキーを上げていくほうが、最終的には高い音を発声できるようになります。 この時1音1音練習するよりも、1フレーズを抜き出して歌うとより効果があります。
ここでの1フレーズの単位は息継ぎをしてから再び息継ぎをするまでの節を指します。 高音が出せない時は、発声できない場所だけに問題があるのではなく、1フレーズ全体や途中の歌い方にも問題がある場合が多いのです。
先にも述べた「サビの部分で声が力尽きてしまう…」という方々の多くはこのケースに該当します。 こういう方々がキチンとサビを歌えるようになるにはサビの部分だけを抜き出して練習しても効果があまりありません。サビに至るまでのAメロ・Bメロに原因が潜んでいるからです。
このAメロ・Bメロに潜む問題を発見し解消することで、サビが歌えない問題が一気に解決するケースも数多あります。
まずは焦らず、発声できる低い音から順々に1ステップを慎重に進めていきましょう。そうすれば必ず高音域の発声が可能になります。
ミックスボイス
- ミックスボイスとは?
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音の高低差が激しい曲や、パワフルな高音を出す曲でよく使われる発声方法です。
ミックスボイスは高音を出すうえでとても重要になるテクニックなのですが、非常に捉えどころが無く定義があいまいな技術でもあります。
「ミックスボイスとは」とネットで検索してみると、主に以下のような解説が検索結果として表示されます。
- 地声と裏声が「混ざりあった(ミックスされた)」された声の状態を指す説
- 地声のまま高音を出す感覚で発声する、裏声が混ざっているように聞こえる(実際は混ざっていない)声のことを指す説
- ヘッドボイスやファルセットと同じ「(地声に近い)裏声の一種」とする説 …etc.
と、このようにミックスボイスを取り上げるサイトによって多種多様な定義が存在します。
これではミックスボイスが何なのかがさっぱりわからず混乱してしまいますよね…。
- ミックスボイスに正解は無い!?
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実をいうとミックスボイスは「使う人によって理論の解釈や使用中の体感が全く違うテクニック」なのです!
なので上記の定義は解説している人にとっては正しいのですが、あなたにとって正しいかはやってみないと判りません。あなたにはあなたのミックスボイスがあるからです。 もちろん「他人のアドバイスなんて無駄だよ」と言いたいわけではありません。
ただ巷の習得法や理論は真に受けすぎず「参考にしておこう」くらいの感覚で受け止めおくと良いでしょう。
- ミックスボイスの習得に大切なこと
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ミックスボイスの習得法や捉え方は先ほどお伝えした通り人によってまちまちです。
しかし、ミックスボイスを使えている人たちには共通点も存在します。
代表的なのは、
- 腹式呼吸がしっかりできている
- 身体が適度にリラックスしている
- 喉が大きく開いている
の3点です。
上から順に説明していきます。
- 高い声でもしっかり声量を確保するには腹式呼吸での安定した呼気の供給が必要です。
- 力んでいると身体が上手く機能しません。深呼吸やストレッチで余計な力を抜きましょう。
- あくびをする感覚で大きく喉を開けましょう。喉を締めると高音が出ません。
以上のことを心掛けながら鼻腔共鳴や、喚声点などの知識や技術を蓄積していきましょう。
意外と早くあなたのミックスボイスが見つかるかもしれません。
雄叫び発声
※注意 雄たけび発声は注意点をしっかり把握していないと喉を痛める可能性があります。必ず最後まで読んでから行ってくださいね。
- 雄たけび発声とは?
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雄たけび発声とは一般的に「低い音から高い音まで一気に大音量で発声する」ボイストレーニングの総称です。 ボイトレを一定期間続けた効果で、ある程度なら低音も高音も出るようになってきた!
しかし歌うと低音から高音に上がる過程で音が途切れ途切れになってしまう、滑らかな発声にならない…。 高音・低音の発声を会得した中級者の方からよく聞く悩みです。 これらの問題を解決するためのボイストレーニングの1つがこの雄たけび発声です。
まず歌手を目指してボイトレをしている方々は、音を縦軸で捉えるようイメージした方が狙った音をと発声しやすくなります。 歌唱のために発声する場合、低い音は体感として下方で響きますが、逆に高い音は上方で響く傾向があるからです。 雄たけび発声はこの縦軸でとらえた音の感覚で下から上へ駆け上がるようなイメージで練習していきます。
すると多くの方が自分自身が思っていたより、高い音を発声できるようになるのです。
- 練習前に要確認の注意点
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上記の通り雄たけび発声はやり方を一つ間違えると喉を傷めてしまう可能性があります。 喉のコンディションが悪い時はトレーニングを止めましょう。
また、「出したい音を、必ず出す!」と気負ってやるより、半ば遊ぶように楽しんでやるのがコツです。 その方がリラックスして発声できるので良い音を出すことが可能になります。
- 雄たけび発声のやり方
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- 口を「お」の形で縦に長く、かつ大きく開きます。舌先は下の歯の裏に必ずくっつけます。目も大きく開くのが理想です。
- 自分にとって大体の最低音で「おー!」と発声します。このときの「お」の発音は若干濁っていると良いでしょう。
- 上手く発声出来たらそのまま自分が目指す高音まで下から一気ににスラーで上り切りましょう。※上りきった高い音は、お腹でしっかりと出し切るようにしてましょう。
一気に上りきる発声に慣れてきたら、目指す高音を中間地点として、スラーで上り下りしてみるとなお効果的です。
焦らず着実にステップを踏んでいきましょう。
異性の曲を歌ってみる
- 異性の曲を歌う効用
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「高音だけでなく全体的な音域を広げたい!」という中級者から上級者の方には「異性の曲」を歌ってみるのをおすすめします。 基本的に女性は男性よりも声が高く、男性は女性より声が低いです。
なので必然的に異性の曲を歌うと普段は出さない音程を歌うことになります。 そうなると平常時で使っている歌唱のテクニックではどうしても歌いきれない箇所が出てきますよね。 上級者であれば持ち前のテクニックで音域の広さをカバーできます。
しかし初級~中級者の方は大幅な音域の変化についていけずに声が擦れたり、か細くなってしまったりしてしまうのです。 このように異性の曲はあなたのちょっとした弱点を大きく浮き彫りにします。
なので実力チェックとしてはかなり有効な手段です。
- 異性の曲を歌うには
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【男性の場合】 女性アーティストの歌をそのままの音程で歌ってみましょう。すべて裏声で歌って構いません。
【女性の場合】 男性アーティストの歌を1オクターブ上げて歌いましょう。
ポイント:声が出ないところは呼気だけ出すか、1オクターブ分だけ音程を変えて歌いましょう。まずは発声が可能な部分だけでも歌うように心がけましょう。
- 異性の曲を歌う上での注意点
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異性の曲を歌うのはたとえ上級者であってもなかなかできることではありません。
なので上手に出来なくても落ち込む必要はありませんよ。 上手く歌えなかったとしても半ば当然のことなのだという意識でトライしてみてくださいね。
ハミングで高音のコツを掴む
上記で説明したボイストレーニングを行っても「高音の声に迫力がない!か細い!」という方はハミングを練習に取り入れるといいかもしれません。
- 腹式呼吸を鍛える
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口を閉じながら鼻で歌うハミングにはかなりの呼吸量が要ります。そのうえ息継ぎをするには鼻から一気に空気を取り込む必要もあります。ハミングは口を閉じた状態で行うからです。
この時に上手く空気を取り込む事に成功すると、呼吸と同時に腹部が膨らみます。いまいち実感がない方はハミングを行っている最中に腹部に手を当ててみましょう。膨らんでいたら、おめでとうございます!あなたは腹式呼吸ができているのです。ハミングでのトレーニングはこの腹式呼吸の感覚をより明確にし、さらには強化していくのに非常に効果的です。
また、膨らまなかった方も落ち込むことはありません。上記の「腹式呼吸」の項目を再読し、ハミングを練習項目に追加しましょう。腹式呼吸のコツを早くつかめる可能性が高まりますよ。
- その他にも利点がいっぱい!
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ハミングをすると鼻に響く感覚がありますよね?これを「鼻腔共鳴」といいます。
この鼻腔共鳴は高音域を出すうえで重要となるテクニックです。 ハミングは鼻腔共鳴の感覚をつかみやすい為、トレーニングを継続していくと通常の発声の時も共鳴させることが可能になります。
さらに口を閉じて音を出すハミングは歌や会話のように言葉で表現しないので音程をつかみやすくなります。自分がどの程度まで正しい音を出せているかの確認も簡単にできるので一石二鳥です。
- 具体的なハミングの方法
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正しいハミングを行う手順は以下の通りです。
- 体の力を抜き、口を閉じます。
- 腹部に手を当てて、鼻からゆっくりと息を吸い込みます
- 「んー」とロングトーンで発声します
全行程において腹式呼吸と鼻腔共鳴を意識するのがポイントです。また、息は一気に吐き出さず、一定のペースを保って吐くことを心がけましょう。慣れれば特に意識しなくとも、自然にハミングができるようになっていきます。
高音ボイトレの注意点
これまで高音を習得するための準備、トレーニングをお伝えしてきました。 紹介するボイストレーニングを行う上で、絶対に覚えておいて頂きたいことがあります。
ここからは高音域のボイストレーニングを行う際の注意事項を説明していきます。
ここを読み飛ばしてしまうと喉が故障しかねません。 高音ボイトレに挑戦す方は必ず最後まで目を通してくださいね!
気負わず、リラックスを!
- 高音ボイトレに焦りは禁物
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早く音域を広げたい!という気持ちが先走ってしまい、高音域のみや低音域のみの偏ったボイトレを行う方がまれにいらっしゃいます。
しかし偏ったトレーニングでは間違った発声のクセがついてしまい、反対の音域が出し辛くなる原因になりかねません。結果的に自分の音域を狭めることになってしまいます。この様な練習は絶対にしないでください。
声は一朝一夕で美しくなるものではありません。どんなに歌の才能があったとしても、無理な練習をして喉を壊してしまったら元も子もありませんよね。 高音のボイストレーニングは慎重に行いましょう。
- バランスの取れた心身でボイトレを!
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高音ボイトレには思考力や判断力が必要になります。
例えば高音域の発声でどうしても声が裏返ってしまう場合は、テクニック不足であることが考えられます。同じ発声方法を繰り返していたらテクニックの向上はなかなか望めません。
この場合は高音域のボイストレーニングを一旦止めて「どうして高音で声が裏返るのか?」を真剣に考察する必要があります。原因を突き止めたら再び練習を開始するのが賢明だといえるでしょう。
あまりに練習に夢中になって視野が狭くなっていると、この様な自身の発声における課題をが見つけづらくなります。課題が見つからないとウィークポイントを治すことができません。
このような事態を防ぐためにもボイストレーニングをする際には冷静に考える時間を設けましょう。発声をしていなくても「どうしたら声が良くなるのか?」を考えていればそれはボイストレーニングです。決して無駄な時間を過ごしている訳では無いですよ。
練習時間は適切に!
- 練習時間は長い方が良い!?
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はっきり申し上げると、練習時間が長ければ長いほどいいということは断じて!ありません。 高音発声の習得で大切なのは、ボイトレを継続することで高音発声の感覚をつかむことです。
なので、長時間の練習を飛び飛びで行うより少しずつでも続けて練習した方が効果があります。
ただし短時間でも毎日練習すると知らないうちに喉が疲弊し痛んでしまう場合があります。歌唱力を効率よく上達させたいなら1週間のうち1~2日程度の「休声日」を設けると良いでしょう。 無理せず「定期的に少しずつ」を意識して練習していきましょう。
そうすれば喉を壊すなどの遠回りをせずに、一直線で美しい高音発声の習得へ進んでいけます。
- 適切な練習時間はどのくらい?
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ボイストレーニングにおける最適な練習量は、生まれ持った喉の強さや積み上げてきた実力によって決まります。 大体の目安としては今まで一切ボイトレを行ったことのない初心者で1回30分程度です。そこから自身の成長に合わせて時間を伸ばしていくといいでしょう。
またボイストレーニングを行う時はきちんと練習時間の合間に休憩をはさむことも重要です。休みなく続けざまに発声していると喉が潰れてしまいます。喉を潰すと声が擦れたり枯れたりして、歌うどころか会話すら難しい状態になってしまうことも珍しくありません。症状が重いと耳鼻咽喉科での診療を受ける必要も出てきます。
まずは小休憩を含めての30分からの練習を続けて、喉の強さや実力が備わってきたら少しずつ時間を伸ばしていきましょう。そうすれば自然と練習量も自然と増えていきます。
練習環境も随時チェックを!
- 湿度に気を付けよう
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ボイストレーニングをする場所を選ぶ際には湿度も忘れずにチェックしておきましょう。
一般的に歌手に良い湿度は60%だと言われています。この60%を下回る環境で練習するのは危険です。声の伸びが悪くなるばかりか、喉を傷めやすくなります。
湿度を確実に上げるには加湿器を使いましょう。今はかなり安く手に入るようになっています。歌唱力と健康のために必ず用意することをお勧めします。入手した加湿器が小さい場合はなるべく顔の付近で稼働できる様に工夫しておくと良いでしょう。エアコン・ストーブも切っておくとさらに安全です。
- その他に気を付けるポイントは?
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湿度のほかに気を付けるポイントは以下の4点が挙げられます。
- 正しい姿勢で歌える
- 防音設備が整っている
- 少ないコストで使える
- 一人でも安全である
この4点が揃っていれば言うことなしです。
しかし、全て該当する場所を見つけるのはなかなか難しいと思います。 ボイストレーニングを行う場所をなかなか発見できない…という方は、普段から「練習場所は無いかな?」と探す癖をつけることがお勧めです。 日常的にアンテナを張っていると意外な場所で練習場所を見つけるというケースは珍しくありません。
更にインターネットなどで「歌 練習場所」で検索をかけると、地域によっては思わぬ場所がヒットするケースもあります。
また、どうしても場所がないなら自宅に防音ルームを作ってしまうのも一つの手です。業者に頼むと料金がかさみますが、自作すると数万円からそこそこの環境が作れますよ。
喉を傷めないために
音域の発声に限らず、ボイストレーニングを行う際はしっかりと自分の身体に向き合いながら行うことが重要です。
練習を始める前はもちろん、練習の途中に設けた休憩時間にも体調をチェックしておきましょう。 喉に違和感があったり声がどうしてもかすれる時は練習を行わずに身体を休ませる勇気が必要です。 「人間の身体は楽器なのだ」と考えると良いかもしれません。声帯を含む発声器官をはじめ腹筋や背筋、横隔膜が上手く連動し演奏が可能となるこの身体という楽器はとても繊細かつデリケートです。 無理矢理に練習をしてしまうと声帯が傷つきクリアな発声ができなくなる可能性があります。
最悪の場合には喉が炎症を起こしたり、ポリープができたりもします。 良い声は一朝一夕で身につくものではありません。
ゆっくりと1ステップずつボイストレーニングを積み重ねていく事がとても大事です。 再三の注意で申し訳ありませんがボイストレーニングはコツコツと地道にやっていきましょう。
まとめ
今回は高音を出すためのボイストレーニングを5つと注意点を4つ解説しました。
ぜひこの記事を参考に高音域のボイストレーニングに挑戦してみてくださいね。 今までより発声できる音域が広がることで歌唱力が上がること請け合いです。カラオケで自慢できますよ!
ただし、しつこいようですが高音に限らず出せない音を出せるようにすること、つまりは音域を広げることは地道にコツコツとやるものだということは忘れないようにしてくださいね!
マイペースに楽しく歌うことは見失わずに練習に取り組みましょう。