「目指す先はわかっていない…だけど、歌が上手くなりたい!」 そんな人も多いでしょう。
プロの歌手を目指していなくても、単純に歌が上手くなりたいという人もいます。
どんな人でもその気持ちを持ってボイストレーニングに励むことで上手くなります。
ここでは独学でのボイストレーニング方法を紹介します。
ボイトレは独学でもOK?ボイトレ教室との違いは?
まずはあなたの目的を明確にするところから始めましょう。
ボイストレーニングを始めるにあたって、「ココだけは譲れない!」という部分を見つけましょう。
費用を抑えてボイトレするのか、本気で歌が上手くなりたくてボイトレするのか、明確にすることが大切です。
また、独学とボーカル教室のボイストレーニングではどのように違うのかについても解説します。
独学でボイトレする
最近では多くの教則本なども出ていますし、スポットに当てた教則本まであります。
YouTubeなどでも多くの配信がされており、基本やノウハウなどの情報が得やすいというのも最近の特徴です。
また、中々時間が取れなかったり、相性の合う講師を探すのが一苦労と言った場合にも独学の利点になります。
ボイトレ教室に通う
本気で歌が上手くなりたいのであれば、確実にボーカル教室に通う選択肢です。
ボーカル教室の場合、どんなに安くても月額10,000円以上かかるところが多く費用面ではデメリットとなります。
しかし、教室で習った成果を実感できれば決して高い料金ではないと思います。
ボーカル教室は独学よりも早いスピードで上達できますし、教室であれば「どこをどんな風に使って…」という疑問もその場で解消できますし、講師がいるのでお手本になるなどのメリットも多くなります。
また、基礎をしっかりと教えてくれるので小手先だけのテクニックだけつけて失敗することがなく、段階を踏んで上達できます。
ボイトレを独学で行うメリットは?
ボイトレを独自でやるメリットは何でしょうか?
- 基本的にお金がかからない(教材費などを購入等は別)
- 良い教材がたくさんある
- 自分のペースで進められる
などが考えられます。それらについて簡単に説明していきましょう。
お金がかからない
独学の場合はお金はほとんどかかりません。
ボイトレに必要な教材本を購入したり、カラオケやスタジオに入るためのお金が必要なくらいで負担は少ないと思います。
スクールに行った場合のお金が浮いたと思ってPCや録音機材などを購入し本格的に練習するのも1つの手です。 本格的な機材を購入したとしてもスクールに長期的に通うよりも安く可能性が高くなります。
とにかく手軽さや費用の安さで選びたいのであれば間違いなく独学が良いと思います。
良い教材がたくさんある
現在はボイトレ練習の助けになるアプリもありますし、有益な動画もYouTubeにたくさん上がっています。
それらの中から自分に必要な練習法を見つけることが出来れば、独学でもスクールに通うのと近い効果を見込めます。
ただ、解説などが正しいのかどうかを慎重に判断する眼を持つことなどが必要になってきます。 判断が可能になれば独学と言っても現在は様々な方法がありますから、教室に通うよりも安いのは間違いありません。
自分のペースで進められる
マイペースに自分の学びたい部分だけを学ぶこともできますし、取り組み内容や場所時間に縛られることなくボイトレに取り組むことが可能になります。
ボイトレを教室で習う場合には自分のペースを講師に伝えながら進めていかないとついていけなくなってしまいます。
独学であれば自分の苦手な部分を納得いくまでマイペースに練習することが可能になります。
独学でボイトレをするときの練習法【自宅の場合】
独学で練習をする場合、自宅で練習することもできます。但し、自宅の場合大きい声の出せない場合も多いので「呼吸法・発声・発音」のトレーニングが中心になる場合が多くなるかと思います。
教則本を使ったり、先の項目でも紹介しましたが、最近ではボイストレーニングの為のアプリなどもリリースされていたり、有益な動画もYouTubeにたくさん上がっているのでそちらを使って練習するのもよいと思います。
「呼吸法・発声・発音」のトレーニングをすることは歌う為の体作りになります。
どんな練習方法があるか紹介していこうと思います。
腹式呼吸
歌の基礎である呼吸は腹式が良いです。腹式呼吸は太い声を出したりロングトーンを出すのに必要です。
腹式呼吸の練習方法はまず腹式呼吸の感覚を身につけるところから始めます。 寝転がってリラックスした状態で深呼吸してみてください。胸ではなくお腹が膨らんでくるのがわかります。その息を吸ってお腹が膨らむ状態が腹式呼吸です。
普段の会話では基本的に胸式呼吸をしている人がほとんどですが胸式呼吸では沢山の息が吸えずロングトーンが出せません。 腹式呼吸を身につけるには常に呼吸を意識しすることが大切になります。
少しでも時間のある時、寝る前の数分など腹式呼吸を意識することで腹式呼吸が自然と身についてきます。
ドッグブレス
ドッグブレスとは犬のように呼吸をする練習方法です。 「ハッハッハッハ」と犬のマネのように呼吸を繰り返すだけですが腹式呼吸でやることに意味があるので、ゆっくりで良いのでしっかりと腹式呼吸を意識して行いましょう。
腹式呼吸を練習(意識)するときに実施すると、腹式呼吸の感覚を身に付けることができ鋭く抜けのある声が出せるようになります。
ロングブレス
ロングブレスはその名前の通り息を長く吐く練習方法です。トレーニングをしてロングブレスを習得することで声に安定感が生まれます。
やり方は歯と歯の間から「スー」と長く息を吐くだけと簡単ですが慣れないうちは短い秒数しかできないので、無理をせずに15秒程度から始めてください。 15秒ができるようになったら20秒、30秒と少しづつ長くしていき習得しましょう。
ペットボトルトレーニング(肺活量を鍛える)
単純にペットボトルを吸い込んで潰すという練習方法です。 空のペットボトルを用意して思いっきり息を吸い込んでペットボトルをへこませ、息を吐いて元通りに戻します。
最初はペットボトルをへこませることもできないと思いますが、繰り返すことでできるようになります。 無理して長く吸い込んでしまうと酸欠状態になってしまう恐れがありますので、最初は無理はしないで行いましょう。
思いっきり吸い込んで吐いたら、呼吸を整えて繰り返し行うことで肺活量を鍛えることができます。 ランニングなどでも肺活量を鍛えることが出来ますが、このトレーニングのほうが歌に特化した肺活量を鍛えることが出来ます。
リップロール
リップロールは唇に息をあて「プルルルル」と震えさせる練習です。 これは発声練習の一環で、多くの声優やシンガー・アナウンサー等が実践しています。
リップロールができるようになると、その過程であらゆることが身に付けられるようになります。
リップロールとは、閉じた唇に息を当てる事で、「プルプルプルプルル・・・」と唇をふるわせながら行う発声トレーニングの方法です。
リップロールは、プロのシンガーも行っているウォーミングアップの一つです。声を出す際に、多くのメリットがあるため、大変重宝されているトレーニングになります。 ライブ本番前や楽屋、舞台そで等、いろいろな場所で割と手軽に音量を抑え調節できるウォームアップになります。
唇を軽く閉じた状態で息を当てると唇が振動するのでそれを10秒程度続けてみましょう。 慣れるまでうまくいかないこともありますが、そっと唇を合わせ、目を大きく見開きましょう。鏡で自分の口元を見て、上唇と下唇で「アヒル口」を軽くつくってみましょう。
次に、口角を上げてみましょう。そっと閉じても口角を上げるのが難しい人は、両手の人差し指で、口角の部分ををかるく持ち上げてみましょう。唇を閉じた状態で、やさしく空気を吐き出し、唇を「プルプル」とふるわせ、音を出しながら行います。
リップロールは体全体をリラックスさせ、口周りも柔らかくなります。 口周りが固まっているとスムーズに口が動かずに雑な発音になってしまうので、時間のある時にやっておきましょう。
また、練習としてではなく、歌う前にもやっておくと良いでしょう。
タングトリル
タングトリルとは「タングトリル・タントリル」というボイストレーニングです。
簡単に言うと「巻き舌トレーニング」のことを言います。 舌に息をあて「ドゥルルル」と舌を振動させる練習です。
タングトリルは慣れていない人は難しいですが、上前歯に舌先を当てて舌の力を抜くことがコツになります。
どうしても出来ないうちはゆっくりと「ドゥ・ル・ル・ル」と言葉にしてみるところから始めてください。ただし、ハッキリ発音するのではなく、舌の力を抜くことを忘れないでください。
このトレーニングで舌の力が抜け、滑舌の改善に繋がります。これもリップロール同様歌う前にもやっておくことが重要です。
小さな口で50音(発声練習)
よくアナウンサーなどが「あいうえあおいお」など練習しているのを見たことがあると思います。
発音練習をすると「大きな口ではっきりと」といわれることも多いと思いますが、実は口周りに無駄な力が入ってしまいがちです。
例えば「ア」はそれ程大きな口をあけなくても発音できると思います。
このように自然な程度に口を開けて50音を発音していくことで、歌う時に無駄な力が入らない発音方法が身につけることができ、歌詞の流れがスムーズになります。
独学でボイトレをするときの練習法【カラオケの場合】
カラオケでは大きな声でマイクを使ったトレーニングができます。
ちょっとしたテクニックなども練習できるので、自宅ではあまりできない歌唱練習に取り組みましょう。
特にこれから紹介する練習は歌唱にとって重要な要素になりますので参考にしてみましょう。
ビブラート
ビブラートは声を揺らす歌唱方法です。最近ではカラオケで人気の採点機能でも回数などが表示され点数に大きな影響を与えています。ビブラートは大きく分けて2つの方法があります。
- 横隔膜を揺らすビブラート
- 喉を揺らすビブラート
横隔膜で揺らすビブラートが1番自然で、1番上手く聞こえるビブラートです。
これは腹式呼吸ができていなければ難しいので、まずは腹式呼吸をしっかりと練習してください。
喉で揺らすビブラートはターザンを意識して「あーあぁあぁあぁあぁあぁあぁ」と言ってみましょう。これが出来れば喉で揺らすビブラートが出来ているということです。出来ないうちはゆっくりと「あ・ぁ・あ・ぁ」と言ってみましょう。
ファルセット
ファルセットは「裏声」のことです。ファルセットを上手く使うことで、今よりも数倍上手く聞こえます。
ファルセットを習得する近道として、ファルセットが使われている曲で歌唱練習しましょう。
例えば、日本人男性であればMr.Children、日本人女性であれば宇多田ヒカルの曲などがファルセットを使用している曲が多いです。 これらの歌でファルセットを意識しながら歌いこむことによってある程度のファルセット出せるようになってきます。
ファルセットがある程度出せるようになったら、地声とファルセットを交互に出す練習をするとさらにファルセットが鍛えられます。
ミックスボイス
ミックスボイスはどちらかというと上級テクニックになります。初心者の方は無理にやろうとしない方がいいです。
ミックスボイスというのは地声とファルセットの中間の声のことです。ファルセットは「裏声」なのでどうしても音量が小さく弱くなってしまいますが、地声を出すようなパワーでファルセット出すのがミックスボイスです。
ミックスボイスの練習もファルセットの練習同様にミックスボイスが多く使われている曲で練習しましょう。
例えば、代表的なアーティストで言うとB’zの稲葉浩志やアンジェラ・アキなどがミックスボイスを多用しています。
ミックスボイスを身につける為にはファルセットを強化しなければなりません。 ファルセット練習を繰り返し行います。ファルセットを鍛える為に、歌う曲のキーを上げて最初から最後までファルセットで歌う練習も良いでしょう。
ただ、この練習方法は負担が大きいので無理して最後まで歌わずに、辛くなったら歌の途中でも休憩を入れましょう。
独学だけで大丈夫?ボイトレ教室に通うメリットとは
ボーカル教室でのボイストレーニングは、初心者の場合は基礎から行います。
基礎をしっかり固めた上で歌唱練習をしてくれます。歌唱練習では自分の癖になってしまっているところも見抜いて指摘してくれるので、変な癖がつかずに着実に上達できます。
自身のレベルに合わせたレッスンを受けることができる
教室ではレベルを判断する為に、まずは1度自分の歌を講師に聴いてもらいます。歌い終わって良い点と悪い点を、講師が指摘してくれます。そこから良い点は更に伸ばし、悪い点は矯正していきます。
この時点で基礎ができていない場合は、基礎ができるまで練習を繰り返します。基礎が習得できている中級者・上級者の場合は、テクニックを教えてくれます。レベルが上がっても基礎練習だけしかやらない、ということはないので安心してください。
また、ピアノで音をとりながらのレッスンや、レコーディング機材を使用したレッスンなど、スタジオだからこそ出来る練習方法があります。 さらに自分の希望に合わせてレッスン内容を変えることも可能です。
例えば歌だけではなくギターの弾き語りがしたい場合には、弾き語りレッスンも加えてくれるなど、最大限やりたいことを考慮してくれます。
お手本がいる
歌は喉とお腹で歌うものというのが一般的な考えです。
しかし、体全体を使って歌っています。歌い方のバリエーションによって体のどこを意識すればいいかも変わってきますが、自分で習得しようとすると詳しく紹介されているものはありません。
ボイストレーニングスクールに通うことによって講師がお手本として、曲に合わせた細かな体の使い方を見せてくれるので、スムーズに習得可能になります。
まとめ
費用をかけずに独学で(無料で)ボイトレを行うことはお得なように思えるかもしれません。
しかしスクールでボイトレを習う、倍以上の時間を無駄に使っているかもしれません。
このことから、独学”のみ”でボイトレをすることは、基本的におすすめできません。 スクールに通うことは以下のようなメリットが多くあります。
自分の弱点が明確になる 足りないものを補う、的確なアドバイスがもらえる 改善されているかどうか、客観的に見てくれる ボイトレの知識や、ケアの方法を教えてくれる、このような、指針を示してくれるボイストレーナーの存在というのは、お金をかけること以上の効果をもたらしてくれるでしょう 。
客観的に指導や経過を見てくれるトレーナーがいる事が前提で、ボイストレーニングが効果を発揮するツールであることや自己流にならないことを理解したうえで独学でのトレーニングを行うことが効果的だと考えます。